オレンジ

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「リサ?」 その声に振り返る。 「ヒナ。どうしたの?」 「リサ… 泣いてるの?」 そう言われて初めて 自分の頬に涙が伝っていることに気付いた。 「放課後、みんなで遊びに行くって言ってたのに、リサいなくなっちゃうから…。 ミユキたちはもう行っちゃったよ?リサ…行くのやめとく?」 「うん…。……今年の花粉は去年の30倍らしいから、涙が止まらなくて。」 明らかに怪しい言い訳だけどヒナは微笑んだ。 「そっか…。そりゃ涙止まらないわけだわ。」 ポケットからスマホを取り出し、たぶんミユキたちにメールをしてくれてるんだろう。 ヒナの小さな手が、私の手をつかむ。 「行こっ!」
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