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昭和63年も後僅かになった歳の瀬は、バブル経済に日本が好景気に晒されて、誰もが浮かれ立った、そんな師走だった。
京都の祗園街にも、煌々とネオンが灯り、その眩しささえも、心地良い位にキラキラと古都京都を照らしている。
『おいッ!健太!もう一軒行こうぜ!もう一軒!』
かなり酔った康夫が俺に絡む。
今日は、地元の仲間と忘年会だった。
俺と康夫は、同じ不動産会社に勤務していて、特に仲が良かった。
『いいよ。朝まで行くか?』
俺も調子に乗って、康夫に答える。
当時の年齢からは想像を超える給料を手にしていた二人は、回りからも羨望の目で見られていた。
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