第1章

4/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
意味が分からん。 俺はゆっくりと出口に向かって歩き出した。 「ほら、こいつらは画材が手に入ればなんだってするだろ?」 まぁ、ココは美大だし。 絵をかくならなんだってするクラスだ。 「だから、お前をあげた。」 お前…って、俺? 「どういうこと?」 聞いてみたものの、正直嫌な予感しかしない。 「お前の写真をあげた。」 写真ごときで、こいつらが? どうやら声に出ていたらしい、うん、と返された。 「紗生の寝顔と――――を、あげた。」 その言葉は、信じられないものだった。 思わずドアをくぐろうとしていた足が止まる。 「なんでそんなもん持ってんだよ!!」 「だって…、紗生が気を失っちゃって、つまんなかったんだもん…」 しょんぼり、といった効果音が似合いそうな表情だった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!