第1章

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「だもんじゃねぇ!」 これじゃあ先程とは立場が逆だ。 俺は大きな足音を鳴らして教室から出た。 「しょうがないよ、紗生が可愛かったんだから。」 しょうがなくない、可愛くもない! 「でもさ、なんで俺のこと避けてたの?」 「それは――…」 言えない。 ムリだろ。 何も答えられずに、廊下を歩いていく。 結構な速さで歩いているのに、苦も無くついてくる柳にまたイラつく。 「なんでもねぇよ!」 「なんでもなくないから避けたんでしょ?」 間髪入れづに返される。 そりゃそうだ。 「早く言わないと…、ココで襲うよ?」 耳元で、吐息交じりにささやかれる。 「なっ――!」 続きをいう間もなく、肩に担がれる。 「ここ学校だ、バカっ!」 そういう俺の言葉を聞く様子もなく、鼻歌交じりに歩いていく。 周りの生徒の視線が、刺さる。 「言えば、いいのかよ!?」 恥ずかしくていたたまれない…… 「え、言うの?」 柳の足が止まる。でも、と続けた。 「でもってなんだよ?」
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