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遠ざける理由はただ一つ。
あいつに彼女がいるからだ。
会ったことはないが、遼が話していた。
正直言ってあまりいい感情は生まれなかった。
話していた内容も、覚えているのは『まじでカワイイの俺の彼女!』というセリフと、遼の幸せそうな笑顔。
俺に生まれた感情―――それは…
焦燥・戸惑い・嫉妬ここまではいい。
問題は、その感情を抱いた相手が遼でなく、彼女ということだ。
そのことに気づいてから、俺は遼を避けるようになった。
だって、男が男を好きって聞いたら、男女かまわず引くだろ?
だから隠すことにした、その感情を。
まあ、なす術がなくて避けるだけで精一杯なのが現状だが。
そんなことを悶々と考え続ける俺は、傍から見るとどんな風に見えるのかな?
そんなことを考えて、苦笑した。
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