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「この培養器は、まさか――」
「如何にも。これこそが、第二級の業物咒装『蟲毒の壺』。まあもっとも、本物に似せたレプリカだが――本物と同義の能力を発揮するだろうさ。今までの被験者はさしずめ――生け贄だよ」
「――――!!」
その言葉に絶句する女。
この実験に志願し、参加したのは紛れもなく女自身の意志。だが、それでも、目の前の男の所業に、吐き気を感じていた。
死にたくないと泣き叫ぶ被験者。
恐怖に引きつった死に顔。
この培養器に似たモノに入った少年とは違い、『生きながら』にして被験体とされた者達――
そして、女はようやく気付く。
周囲の同僚達によって、自らの身体が束縛され、拘束されていることに。
気付かなかっただろう? と得意げに口ずさむ男。対して拘束された女は劔を抱え込みながら考える。
――『蟲毒の壺』に確かこんな能力は無かったハズ。それは以前に資料を見たから解る。なら何? あたしが認識している限り、この部屋に咒装は、あの培養器と、この劔の二つだけ――
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