第一章 夢見がちな少女、参上

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   日蝕島学園都市。  別名『蓮下島(れんかとう)』。  日本海の浮かぶ孤島を一つ丸々買い占め、何らかの構想の元造られた街にして学園。学園にして島。そして孤立した学園島という名の『牢獄』。  人工およそ百八万人。学園都市……故にその大半は学生という身分だ。造られてたったの一年で現代日本の技術の最高峰へと登りつめたソコは――あらゆる『化物』を渇望している。  『化物』を渇望し、『化物』を蒐集(しゅうしゅう)し、『化物』を囲う。  そんな『化物』達の名は――総称(異界遣い)。  異なる界を遣い、異なる法に従事し、異なる世をその瞳(め)に映す異貌(いぼう)のものども。  《異界遣い》は総じて危険――  それが国際的な見解。  それ故に、《異界遣い》には格付けが行われている。格付けはその異界の性能や範囲、多様性や強さを総合して決定されており、危険性の高い五段階の順から――  《真界遣い(エンターテイナー)》。  《別界遣い(コンポーザー)》。  《外界遣い(マエストロ)》。  《異界遣い(ルーラー)》。  《内界遣い(エキストラ)》。  となっている。  
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