第1章

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「この手紙なんですが…」 月夜は懐から一通の封筒を取り出す この封筒を影時は粘着質な程丁寧に開け中に入っている紙を取り出した その紙をまるで取り憑かれたかのように読みだす 静まり返っていたこの空間はとても気まずいものだった 「……ちょっとお待ちくださいね」 一通り読んだところで立ち上がる 「どうかしましたか?」 突然の出来事でコーヒーを注ぎに行ったわけでもない 一般人には理解しがたい行動である 影時は奥の部屋に行ったようだ ここで、謎の紙の内容についてお教えしよう 内容と言っても至って簡単な物であった 時間は狂い、事件は永遠の謎となる 暁の空に残る月を眺めながら終焉を待て 一瞬これは専門業者の方に相談した方がいいのではないかと思ったが影時に任せておけばなんとかなるだろう、と無責任なことを考える 今回もまた、面倒な事になりそうだな もう冷めきったコーヒーの香りが鼻をくすぐった
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