穴の形が変わるまでの時間

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 見た感じA寄りのBというなまめかしい膨らみは天使の頬のようなカーブで。 “ない”のではなくそこに“ある”  というひかえめな自己主張をした膨らみがチラチラとバスローブの谷間から見える。  巨乳には巨乳の良さがあり、貧乳には貧乳の良さがある。ただ、嘘だけはいけないと思う。ヌーブラとか詐欺的寄せ上げブラジャーのあのがっかり感はまだ許せる。そこはほら、上級者ともなれば楽しむこともできるわけだし。  あっはっは、科学ってすごいよねと素直に騙される事を楽しむだけの懐の大きさはあるつもりだ。大人として。  ただ、シリコンバッグや食塩水。おまえらはダメだ。  やわらかくないおっぱいはおっぱいでもなんでもない、それは云わば何かの塊だ。かたまりっぱいだ。  おれは、おっぱいがさわりたいのであって、シリコンをもみしだきたいわけではない。  つまりは単純に本当のキミの事を知りたいのだ。そして本当のキミに触れることで初めて本当のキミの事を知ることが出来る。そうじゃないのか?  本当のキミの反応が見たいのだ。その反応がたとえ大げさな演技であっても構いやしない。むしろわかりやすい演出として成立しているのなら大歓迎だ。なぜなら演技を本当だと受け入れるかどうかなんて受け手側の問題によるところが大きいからだ。  たとえば、ワイヤーのがっちり入ったブラジャーの上からおっぱいをさわっても、なんの面白みもないが、この邪魔なブラジャーさえ取ってしまえばという希望は決して消えることはない。壁は高くとも超えられないというわけではない。むしろ剥ぎ取った時の達成感たるや物凄いカタルシスを得られるわけで。  だけど、入れチチの場合はどうだ。脇にあるかすかな縫い目を指でこじ開けて血まみれになったシリコンバッグを摘出しろとでもいうのか。そうでもしないことには永遠にキミの胸の奥までは手が届かないというのか。  服→ブラ→おっぱい→愛  と、愛はおっぱいの先にあるものとした時、  服→ブラ→おっぱい→シリコン(超えられない壁)→おっぱい→愛 では、愛どころか第2おっぱいにすら到達できないじゃないか!  と、いうようなことを瞬きを二回するほどの間に思い、いよいよバスローブの上からではあるが胸に、そっと触れてみることにした。
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