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――…
―…
「ただいまー」
リビングのドアを開けると、奥の部屋からテレビの音が聞こえてきた。
ユキは家着でゆったりとソファーに座り、テレビを見ていた。
「おかえり。意外と早かったな」
私に気づくとテレビを消し、ソファーに預けていた身体を少し起こした。
「うん、お互い妊婦だしね。容子なんて今にも生み落しそうなくらい大きなお腹してたし」
手振り身振りでユキに容子のお腹の大きさを説明する。
ちょっと大げさに伝え過ぎたせいか、ユキは「本当かよ」と全く信じる様子はなく軽く笑い流されてしまった。
「それよりもウチの子は大丈夫か?」
私の傍に歩み寄ってきたかと思うと、ソッと私のお腹に触れた。
「大丈夫よ。ほんの少し食べ過ぎちゃったけど」
食べれない容子には悪いとは思ったけど、お言葉に甘えてしっかりと食べさせてもらったのだ。
「本当だ。朝よりお腹が出てる」
「ちょっと、ヤメテよ。そんなに食べてない」
ユキに言われ恥ずかしさから、その手を振り払った。
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