2587人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
でも、空いているドアの隙間からでは動く影しか捉えることができず、ユキが何をしているのかまでは見えない。
気になって、もう少しだけドアを開け様子を覗ってみる。
瞬間、身を乗り出し過ぎたせいか足を滑らせてしまった。
―――ヤバい!!
一気に血の気が引くのを感じ、反射的にお腹を庇うように手が出る。
「痛いっ」
ダンッという荒々しい音と共に私の声が静まり返っていた部屋に響く。
「咲穂!?」
お腹ではなく手に痛みが伝わっていることにホッとしている私の耳に慌てた様子のユキの届く。
「どうした?大丈夫か!?」
気づくとキッチンに居たはずのユキが私の目の前に居て、心配そうに私の様子を覗って来ていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!