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「あ、うん。大丈夫……」
何とか転ばずにはすんだが、無様な格好。
恥ずかしいやら格好悪いやらで顔が熱くなる。
「危なっかしいな。気をつけろよ」
呆れ気味に溢しながら手を差し伸べてくれた。
「ありがとう」
ユキの手を取り、ゆっくりと立ち上がる。
「悪い、煩かったか。起こしてしまったみたいだな」
「ううん。たまたま目が覚めただけ。何してたの?」
ユキ越しにキッチンの方を覗き見る。
「腹減ったなと思ってたらシチューがあったから……」
お腹を擦りながら向けられたユキの視線の先には、シチューの入った鍋があった。
しかも温めようとしていたのか、鍋の蓋が開いていた。
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