第1章

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鴉の鳴き声が消えた。子供や老人はもういない。恐らく、テレビを見たり、夕食の準備でもしているのではないだろうか。そのように考察する事ができるこの時間。 そんな時間に私は一人「家」に帰る為に歩いていた。 街路をともす灯火は時たま点滅を繰り返す。寸分先が曖昧で怪しげな道。私はこの道が大好きだった。誰もいない。邪魔するものがいない。この道。そしてこの時間帯。私はいつの間にかこの道を「空間」として視ていた。 そして、いつの間にか私はこの空間を 「支配している。」 そう思うようになっていた。
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