第14話

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言いたいことを言えず、だんだん、吐き気がしてきた。 「いや、それよりシンガポールで海外挙式にすればいいじゃないか」 「あらー、お父さん、それいい考えだわ。でも七海ちゃんのご両親は何て言うかしらね」 「そうだな、どう思う、七海?」 三人だけで話が勝手に盛り上がり、進行していく。 怖い。 そして、今、何よりも怖いのは…… あの日、あたしは安全日だった? それとも危険日? 前の生理が終わったのは…いつだった? 次の生理が来るまでこの不安を抱えたままだなんて。 ああ、あたし…… 苦しい。 「七海、どうした? どこか具合でも悪いのか?」 「本当、何だか顔色が良くないわ」 水のように蒸発して、 今すぐこの世から消えることができたらどんなに楽だろう。
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