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灰髪の口元が動くのに、音は分からず。
(耳が)
シャスタが驚いて耳を押さえれば、灰髪も少し驚いた風にまばたいた。
そして、灰髪がシャスタに近付いてきた。
不用意な展開に、シャスタは、灰髪を手で払いのけたかったが、不意に目がくらんだ。
しばらくして気が付けば、シャスタの目前には、額と額をくっつける灰髪が目前にいた。
「な、んで」
動揺したシャスタの眼(まなこ)は、その掠れた声すら嘘のように、豊穣の息吹たる翠の光をたたえていた。
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