ローグリエントの翡翠

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灰髪が、額に触れたことを言ったのではなかった。 その問いは、額越しに確かに"聞こえたこと"への。 シャスタは、思考の断片が自分に語り掛けてきたことについて、訊ねたかったのだ。 それは、灰髪のものに相違なく、しかも一瞬で意思を理解できたのだから、なおのこと。 (直接の衝撃からは守ったが、あの波動を浴びては、お前はまだ立てない) そう、灰髪は言ったのだ。 その声を聞いた訳ではないというのに。 それに。
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