ローグリエントの翡翠

12/17
前へ
/56ページ
次へ
「なぜだとは、…何故?…お前は敵ではないと言った。それに、ルアゼナの瞳を持っている。むざむざ、ここに野晒しにして、半殺しにはしない」 灰髪は、何でもないように立ち上がり、シャスタを地面から引っ張りあげた。 「いや声が…、音もするし、一体どうなって」 相変わらず、シャスタの耳は痛んだが、音は聞こえるようになっていた。 「…ああ。意思疏通ができねば、面倒だからな。…ルアゼナの瞳を持っていることに、報いるといい」 灰髪の言葉では、全く意味が通じあわないのにシャスタには苛ついたが、それどころではないのでぐっと我慢した。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加