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歩を詰めて歩くとは言えど、雪原は足を取られる。
それが、新雪ならばなおのことで、そして、緩やかな丘を挟んでのあの衝撃だったならば、村が無事に在るとは、さすがにシャスタも考え辛かった。
歩を緩めることなく、背後にいる灰髪に、シャスタは質問する。
「…そういえば先程、お前が言っていたけど」
「イライザだ」
「…え?」
斬るように鋭く、シャスタの言葉を遮って発した言葉に、シャスタは疑問符を浮かべた。
「お前じゃない、名前はある。…イライザ、だ」
いきなり、突拍子もない行動・言動をするのがこのイライザなのだと、シャスタは名前を知ると共に、深く理解した。
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