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相川君。
相川君。
相川君。
キスの最中、何度も何度も心の中で彼の名前を呼んだ。
数分もの長い長いキス。
やっと唇が離れたかと思うと、今度は私の首筋にキスを落とす。
彼の熱を帯びた舌が鎖骨をゆっくりとなぞっていく。
「……んっ」
甘い電流が体を駆け巡り、思わず吐息が漏れる。
「ももちゃん……もっと声出して?もっと声聞かせて?ずっと……ずっと忘れないように、もっと鳴いて?」
優しく、それでいて泣きそうな声音でそう言って、潤んだ瞳で私を見上げたかと思うと、私のスウェットを捲り上げて胸に顔を埋めた。
何度も何度も、私の胸にキスを重ねる。
「チュ……クチュ」
厭らしい音が鼓膜を揺らして、私は彼に応えるように淫らに鳴く。
「やっ……あっ」
体と一緒にとろけてしまった理性が、抑えきれない声を漏らしだす。
「あっ……はっ、んんっ」
これ以上、彼を知ってしまったら、きっと、後悔する。
それでも、今は、今夜だけは、夢を見たいと思った。
だから、今だけは、彼女のことを忘れて彼に酔ってしまおう。
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