第3話◆獲物

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―――――――――…… ―――――…… ――…… 「頭、痛いっ」 さっきの出来事は夢だったのか、私は懐かしい夢を見ながら目を覚ました。 ……酷い頭痛がする。 でも身体にダルさは残っていない。 ……って、え? そんな私は、今置かれているこの状況に思わず目を見張る。 だって頭上で綺麗な黒髪の女の人が、私をを見下ろしているのだ。 かなりの至近距離で、その距離は僅か数センチ程だ。 ……なん、なのっ?! この状況っ??!! その人の艶のある髪の毛がサラッと、私の頬に優しく触れた。 「ねぇ目を覚ましたみたいね」 「え、あ、ハイッ!」 その人が真っ直ぐと見つめてくるから、そう答えるしかない。
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