第四章

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あぁ…ダメだ…。抵抗できないよ… もう目が開かない……。 睡魔にまさに吸い込まれようとした瞬間。 チュッ 唇に感じた柔らかい感触。 えっ? すぐに離れてしまったけれど、ばちっと開いた瞼の向こう側に、少しだけ恥ずかしそうに小首をかしげる理子がいて……、 今のって……、間抜けな顔で理子を見つめる俺。 「目、覚めた?」と、一言。 「うん、覚めた!」マジで覚めた! 「でも、足りない、もっと」 欲が出て、今度こそ理子をつかまえようとして、両手を伸ばし、 「ダメ」 抱きしめようとした俺の顔を、理子の手のひらが押し返す。彼氏にこの態度ひどくないか? 少しだけ凹む俺に 「悠ちゃん!ほんと時間ないの!」と諭される。 「ケチッ!」 「ケチ言わない」 「ほらっ、後、20分しかないよ!」 「……」細かい…… 先にベッドから降りた理子は、俺の腕を引っ張り、強引に俺もベッドから出された。 「わかったよ……」 観念した俺をみて、したり顔で理子が笑うから……
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