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手を握ったまま私と和田は保健室を出て生徒玄関へと向かった。
周りの生徒は部活へ行ったり、下校したりしている。
そしてなぜかその中の数人の生徒に見られている。
何故だ…?
「あれっ和田くんマスクしてるー、風邪かな?」
「苦しそうだよね。大丈夫かなぁ…」
「てか今日双子のお姉ちゃん居ないね。」
「てかてか!和田くんと手繋いで歩いてるブスって彼女…?」
…ブスって。まあいいが。
和田、モテるんだな。
見られていたのはそのせいと、あと手を握っているせい。
…そして彼女だと勘違いされた。
…ものすごく面倒だ。
私は握った手を離そうとしたが、…和田が離してくれない。
なんで。
「手、離して。靴履けない。」
生徒玄関に着いて、和田にそういうと
ああ、ごめんと言って離してくれた。
そして学校を出て15分くらい歩いた頃。
ピタリと和田が立ち止まった。
私もつられて止まる。
「…家、着いた。」
和田の見ている方を見ると一軒の家。
表札には和田と書かれている。
ここって…
「ここ…ほんとにあんたん家?」
和田って書いてあるからそうなんだろうと思う。
「そうだけど、どした?」
けど…嘘でしょ…
「い、いや、なんでもない。」
私の家の隣は和田の家だった。
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