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_和田(姉)視点_
昨夜から何かだるくて、朝熱を測ってみたら
あらまあ、9度あるじゃないですか…!
学校は休んで一人大人しく寝てた。
夕方、5時くらいに目が覚めて、水分補給をしようと一階に降りると双子の弟、りんが帰ってきていた。
…あるぇ…何か顔色悪い?
「りん、お帰り。あんた何か顔色悪くない?」
うん、今日も1メートル50センチくらい後退りした弟。
いつもこの距離で会話する。
そんなに嫌いか、おい
「ああ…俺も風邪引いたみたいで…」
そう言いながら
りんはあたしになるべく近付かないようにして階段に向かう。
あぁ…あたしのガラスのハートが…。
「姉ちゃん、調子どう…?熱は?」
心配はしてくれてるのか。
「んー、寝たらだいぶよくなったから大丈夫。」
「そうか…」
「うん、あのさ…」
あの時は…
「あ!俺、着替えねぇと!姉ちゃん、水分補給はちゃんとしろよ!」
りんはそう言うと
すごいスピードで階段を上がっていった。
「はぁ…」
いつになったらちゃんと謝れるんだろう。
あたしは誰も居ない階段を見つめて深い溜め息を吐いた。
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