風邪

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_里乃視点_ 階段を上がって二階の一番奥から二番目… ここか…。 私は和田の部屋の前に立っている。 まだ着替えてんのか…? コンコン―… 「和田、着替えた?」 ノックをして呼び掛けてみる。 「…入っていいよ」 いや、出てこいよ。 お粥冷めるだろうが。 とか思いながらも部屋のドアを開けた。 「…お粥冷める」 そこには着替えてベッドに座ってる和田が居た。 「しんどくて立てない。肩貸して…?」 和田の上目使い、可愛くない。 そもそも上目使いの何が可愛いのかわからない。 まあ、このまんまじゃ帰れないので 仕方なく肩を貸してやった。 リビングに行くと、和田のお姉ちゃんがお粥をフーフーしながら食べていた。 和田を椅子に座らせ、お粥を出す。 「…じゃあ、私帰るね」 帰る準備をして2人に言った。 「お粥めっちゃ美味しい!ありがとうね!」 和田のお姉ちゃんは笑ってそう言った。 「そう。ならよかった。」 「うん!あ、家近いって言ってたけどどの辺なの?」 「この家の隣。」 「「え…っ」」 おー、そろった。 双子だから?って関係ないか。 「ってことはー…」 しばらくの沈黙の中最初に口を開いたのは和田のお姉ちゃんだった。 「明日もお粥作ってもらえるねっ」
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