第15話

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「口論はどれぐらいしてたの?」 脳を奮い立たせて答えを巡らす。 「6~7分くらい…かな」 「じゃあ、やっぱりどう考えても 残りの時間でおまえを抱くのには無理がある」 正しい理論から答えを導き出す新谷の意見が 正解だとわかる…けど…… あたしはそれでもまだ不安…だ。 それらは全てが想像にすぎず、   “絶対に何もなかった”という確固たるものではないのだ。 疑いはどうしても… すっきりと晴れない。 「でも…、胸元に… キスマークがいくつも、つけられていて……」 もう、消えたけど。 あたしは胸に手をあて、その箇所を服の上から撫でた。
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