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「しん、たに…」
あたしが不安げな声を出したからなのか、
さっきまで意地悪い感じだったのに。
「それとも、本当に嫌なの? まだ、抱かれるのは怖い?」
急に、言葉が優しくなった。
「俺に抱かれるのは―――… 嫌?」
新谷は、あたしの前髪をかきわけた後、
頬に触れ、指先ですりすりと触っている。
あたしの心の迷いは、すー…っと消えていった。
新谷、あたし、待ってたんだよ。
ずっとずっと、待っていたの。
新谷に、全部あげるために。
あたしも新谷の頬に手を伸ばし、同じようにした。
「いやじゃ… ないよ」
軽いキスを落とされた後、目を開けると、真正面に新谷がいて。
互いに強く、見つめ合った。
「―――…抱いて―――」
その一言を合図に、今度は深く、熱いキスを繰り返された。
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