第15話

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「しん、たに…」 あたしが不安げな声を出したからなのか、 さっきまで意地悪い感じだったのに。 「それとも、本当に嫌なの? まだ、抱かれるのは怖い?」 急に、言葉が優しくなった。 「俺に抱かれるのは―――… 嫌?」 新谷は、あたしの前髪をかきわけた後、 頬に触れ、指先ですりすりと触っている。 あたしの心の迷いは、すー…っと消えていった。 新谷、あたし、待ってたんだよ。 ずっとずっと、待っていたの。 新谷に、全部あげるために。 あたしも新谷の頬に手を伸ばし、同じようにした。 「いやじゃ… ないよ」 軽いキスを落とされた後、目を開けると、真正面に新谷がいて。 互いに強く、見つめ合った。 「―――…抱いて―――」 その一言を合図に、今度は深く、熱いキスを繰り返された。
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