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「それに、長い間お預け食らったんだから、
これぐらいの仕返しは当然だろ」
S発言は、新谷なりの照れ隠しであり、優しさ。
「 あ… あぁ…… …っ 」
昔、あたしが拒んだことを覚えていて、
慎重に慎重を重ねているのだろう…と、
朦朧としながらも思った。
―――指で、これから繋がるその部分を触られて。
もう十分、と思ったのだろう。
新谷が自分の膝を使ってあたしの股に分け入ってきた。
いよいよだ、と思うと足の指のつま先に力が入る。
「入れるから、力、抜いて」
両膝をとられたと思ったら、
すぐに体を貫くさし込みみたいな痛みが走った。
「いっ……っ」
でも一瞬で消えて。
「痛い…?」
この痛みに、心底、ほっとし、
「痛みが…こんなに嬉しいと思ったのは、生まれて初めて」
あたしは泣き笑いした。
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