第15話

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「七海は俺が送っていくから。先に家に帰って」 …やっとはっきりとしてきた。 この声は、和也さん…だ。 あ…れ、 あたしの手が、浮いて―――…握られた。 人の体温て、温かい。 ん…? 変なの。どうしてかな、   握られたあたしの手、微妙に揺れてる……? 瞼を押し上げ、顔を横へずらすと、そこには和也さんがいて。 あたしの手を握りしめながら、 それを自分のおでこにあて啜り泣いていて… 「…ぅっ …っく…… っ……」 いたたまれないような、何とも複雑な気持ちになり、 顔を反対側へ向けた。 腕とチューブがテープでとめられ、繋がっている。 目線を上へ上げると液がポタポタと垂れる様が目に入った。
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