第1話

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平日である今日、 少女はいつものように学校へ来ていた。 教室では速人という男子生徒の周りに、 クラスメイトが集まっている。 速人も"あれ"の被検体になったらしい。 「昨日やってもらったんだ。 めっちゃ足速くなったんだぜ!おめーらなんて、 追いつけねぇぜ。」 羨ましい、 凄いなどの言葉が溢れている。 少しだけ、 ほんの少しだけ、 少女も同じ気持ちだった。 違えた感情の方が強いのだが。 「俺もやってもらおうとしたんだけど、 俺は"不適合"だったからなぁ」 大半の人は被検体になる事ができるが、 実行の前に検査をしなければならない。 検査というのも簡単で、 よくある血液検査である。 結果は直ぐに出、 適合者と判断されればそのまま手術できる。 改造手術は、 速人という少年も血液検査をし、 適合者として認められた証拠である。
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