4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「ちょっと!急に何?」
「君が何なのか分からないけれど先生が来たら不味いし一旦逃げよう」
この子も先生に見つかって得なんてするわけ無い。この事態についても詳しく聞きたいし。早いとこ退散したい。
「いや誰もいないよここ」
ニコッと笑い、謎の女の子はそう言った。
「え?」
思わずぼけっとした顔になってしまった准矢はすぐに問い質す。
「でも先生はまだ残ってるでしょ?だって5時にもなってないし」
「皆帰った。そういう設定にしたから」
設定に?さっきから何を言ってるんだ。意味がわからない。電波とかいうやつかな?きっとそうだ。彼女は電波さんなんだ。そう認識し苦笑いを浮かべて、へぇーすごいなーと返しておいた。
「ところで貴方名前は?あるよね?」
あるに決まってる。確かに自己紹介がまだだった。准矢はどちらかと言うと気に入ってはいる自分の名前を言った。
「藤山准矢…です」
「准矢くんね。私は不知火 凛香(シラヌイ リンカ)。一つ、質問してもいい?」
聞き覚えはなかった。やはりこの学校の生徒ではないのだろう。不知火、その名前はこれから幾度となく呼ぶことになるのを准矢はまだ知らない。
「質問ですか?いいですよ」
このタイミングで質問?何を考えているんだ?不知火さんの考えていることが全くわからない。困惑する准矢に凛香は言う。
「この世界の秘密、知りたいか?」
最初のコメントを投稿しよう!