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勿体振るようにそう言われても准矢にはまた電波さんが何か言ってるなーぐらいしか思わない。これは乗った方がいいのかな?面倒くさそう…などと思う准矢を急かすように続ける。
「どうなの?知りたいか?知りたくないのか?」
丁重にお断りしよう。
「あの、電波さん?そういう話は俺にはあまり向いてないですから、他の人を探して欲しいっていうか…」
ここまでの会話で関わっても良いことがないなと判断した准矢は、さっさと話を切り上げて帰宅しようとする。
「は?電波って何電波って!これは本当のことだから!耳の穴かっぽじってよく聞け」
言われた通りに耳の穴をかっぽじり仕方なく話を聞く。この選択が准矢の未来を大きく変えることになる。いや変わることは必然だったのかもしれないが。
そして遂に適当に聞いている准矢に少し苛々した様子を見せながら透き通るような声でこう言った。
「この世界は現実ではない。仮想だ」
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