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数秒してから、指をアヤから離す。
「はあ~…」
気怠げに椅子に凭れるアヤだが、その姿は先程までとは全然違う。
黒かった髪は金色に
紅い瞳は碧色に
それぞれ見事に変わって、いや、戻っていた。
「お疲れー。大丈夫?」
なんの前置きもなく急激に邪気を吸い取ったので、心構えすら出来ていなかったアヤは相当堪えている。
しかしこれには理由があってね?
「レン…あなた、自分がどうなると思って…!?」
と、このように一悶着があるだろうと予想したからだ。
まあ邪神級の邪気なんて普通の人間には取り込めないしねー。
だから見せた方が早いや、って思いました。
「どうにもならないと思ってやった。反省も後悔もしていない」
「…はぁ、なにもないならいいわ…」
呆れたようにため息を吐いて頭を振る。
その度に金髪がフワフワと揺れる。
「うん、やっぱり今の方が似合うな」
「なっ///」
「疲れただろうし、運んでやるよ」
「ひゃっ//」
アヤをお姫様抱っこして、寝室に運びベッドに寝かせ、俺も自分のベッドに入り電気を消す。
「それじゃ、明日から学校だから寝るよ。おやすみ」
「…」
アヤからの返事は聞こえなかった。
まあ疲れたんだし、すぐに寝たんだろう。
それにしても、今日は楽しかった。
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