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それが駄目だったのかもしれない。
何故なら、この森の主的存在であるドラゴンが現れてしまったからだ。
ドラゴンはすぐ先の少し開けた場所で爆音がする方を見つめている。対して私はまだ森の木々に隠れて静かに様子を伺っている状態。
幸いにもドラゴンは、音のする方をジッと見つめており、此方に注意ははらってない。今なら逃げられる、と思い後ろに下がろうとすると。
「ヒャッハーーーーーーーーーーー!!」
狂ったような笑い声が聞こえてきてーーー
茶色い影が飛び出してきた。
それはそのままの勢いでドラゴンを投げ飛ばしたと思ったらまた森の中に消えて行った。
「……………え?」
訳が分からなかった。
魔法を使った形跡は全くないのに、ドラゴンが反応する間も無く投げ飛ばされて横たわっている。
「え、ええぇぇぇぇ!?」
と、とりあえず帰って今の事を報告しなきゃ。
何か証拠になりそうなものは…
チラッとドラゴンを見やる。
ピクピク痙攣しているようだが、死んではいないらしい。
「(今なら大丈夫かな…)」
そして私は証拠にドラゴンの鱗を2、3枚剥ぎ取って急いで家に帰った。
ーとある学生サイドendー
「…そういえば、人間が一人居たな。まあ助けた訳じゃないし、フラグにはならんだろ」
俺はエルダート王国の王都の城門前で、テンションが上がってスルーしてきた奴の事を思い出しながら、城門をくぐって王都に入っていった。
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