珍しい月曜日

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「はぁぁぁ………時計が足りない………」 「ちょっと、危ない人っぽくなってるわよ?」 「だってぇ…」 今日は月曜日。 ホントは昨日、いつものようにあの毒舌店主の時計屋に行こうと思ったのだが、生憎仕事が入ってしまい、お店には行けなかったのだ。 それで、先週は癒しの時計を見ていない。 いや、家にはたっくさん時計はあるんだけど、それはまた違うんだよねぇ…… そんな私の傍で、すらすらと仕事をしている仕事仲間の七内華恋(ナナウチカレン)は、名前通り美人さん。 ただ、中身と外見が違いすぎて男が離れていくと、この前嘆いていた。 そう、彼女はサバサバしている姉御肌。 女子から見た彼女は、最高にカッコイイのだが、男から見るとそうでもないらしい。 そんな彼女は、ふとパソコンから目を離し、私を見た。 「てかあんた、それだけじゃないでしょ?」 「え?」 よく分からない事を聞かれ、首を傾げた私に、 「だぁーかぁーらぁー!!その時計屋の店主に会えなかったのも、お悩みの1つじゃないの?って事!!」 職場で大声で叫んだ彼女に、何事かと視線が集まってくる。 「ちょっ!?声大き過ぎ!!」 「うっさいわね!違うの?!」 「違うに決まってるよ!!」
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