いつもの日曜日

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ホンット!ムカつくという言葉しか出てこない!! しかし私は、立派な大人なので、それを態度には出さず、笑顔のまま時計を催促した。 「はいはい。少しぐらい待って下さい。」 佐々倉さんは、白い手袋を着けながら、溜息をつく。 「…溜息つくと、幸せ逃げちゃいますよ。」 ぶっちゃけ、こういう迷信じみたことは、なんとなく信じてみたくなる。 ホントになんとなくだか。 そんな私の忠告に、佐々倉さんは、 「そうですね…じゃあ、その時は“美胡さん”に幸せにしてもらうことにします。」 「はっ?!」 猫のような気まぐれの佐々倉さんは、たまに不可解な事を口にする。 今だって、私に幸せにしてもらうなんて、思ってもないことを言っている。 「てゆーか、名前…」 少し気になったことを呟くと、彼は、 「これからは、そうやって呼ぶようにします。綺麗な名前ですよね、“美胡”」 「っ…!!」 友達とかにそう言われると「ありがとう」で済ませれるけど、なぜだか佐々倉さんに言われると、無性にドキドキしてしまう。 この正体は、何なんだろうか? 私が1人でモヤモヤしていると、佐々倉さんは、知らないうちに時計の箱を開けてしまったようだ。 「あぁ!!開けるとこ、見たかったです!!」 「……そんなん見てどうするんですか?」
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