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「これはですね……」
時計の話をする時の佐々倉さんは、悔しいがとてもカッコイイ。
顔は勿論だか、目がより好きだ。
一瞬の見た目じゃ分からないが、よく見てみると、目の奥がキラキラ輝きを放っている…気がする。
ジッと見つめ過ぎたのか、彼はふと話を止めて、
「…僕の顔に、何か付いてますか?」
と不思議そうに訪ねてきた。
その時、佐々倉さんと私の距離が少し縮まって、ドキリとした。
「い、いえ!何でもないです!話続けて下さい!」
「そうですか?」
佐々倉さんは、怪訝そうな顔で私を見ていたが、時計の誘惑に負け、話を続行した。
危なかった………
さすがに、「貴方の目に見惚れてました」なんて、恥ずかしくて言えない。
なんだが今日は、佐々倉さんにドキドキしっぱなしだなぁ…と思った日曜日だった。
この日だけは、時計じゃなく、少しだけ佐々倉さんについてを知りたいと感じた。
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