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「びょ、病院抜け出してきたあ!?なーにしとんのやこの子はっ!もしものことがあったらどうすんねん!」
「今頃希央さん血眼になって探してんじゃね?」
「でも私おりちゃんに会えて嬉しいわー!」
「俺もしおちゃんに会えて嬉しーよー!」
「きゃー!おりちゃん好き好きー!」
「あ、姐さんキャラ崩れてるっす…。」
幹部室にようやく入った幹部たちは、それぞれの指定された場所に座るのかと思いきや皆が織夜を囲んで一人は説教、一人は感激などそれぞれが違う感情を織夜に向けていた。
だが、最後は皆織夜に抱きついた。
目覚めてよかった。
また一緒にいられるのだ、と。
幹部たちは満面の笑みで織夜に伝えた。
『おかえり。』
「また一緒っすね!」
「おりちゃん、あたしの買い物にまたつきあってくれな。」
「……織夜さんについていきます。」
「また織夜さんと一緒なんてマジ嬉しすぎワロス。」
幹部たちのその一言に織夜は若干戸惑った様子を見せたが、やがてその想いに答えるように笑って、
「ただいま。」
と呟いた。
そんな光景を、副総長である拓磨と龍はまるで聖母のように見届けている。
拓磨なんて、
「うちの子かわいい。」
なんて言い出す始末である。
それを横目に若干引いた様子だった龍が少し考えた後、諦めたように「同感や。」というのは拓磨と本人以外は誰も知らないことである。
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