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「ちょ、そこはいいともー!でしょ?のってよ!」
「やだよ。てかちょっちゅ待ってよー。俺眼鏡ないとちっちゃな活字読めないじゃーん。」
「安心しろ。兄ちゃんがちゃんと用意してきた!」
素晴らしいほどのドヤ顔を織夜に向けて、片手に持っている眼鏡を織夜に差し出した。
差し出されたそれをじっとしばらく見つめていた織夜だったが、そのうち小さく舌打ちをして紙とともに受け取った。
黒とライトグリーンで色づけられた眼鏡をかけると、手元にある紙に視線を移した。
「んー、どれどれ…。」
上から順に丁寧に読み進めていくと、そこには学校に転入するための説明と大まかな校則が書かれていた。
織夜は読み逃しの無いようにじっくりと読んでいく。
少しでも自分に不利なことがあれば、絶対に首を縦に振らない。
それが高里織夜という人間である。
「これテスト受けないとじゃーん。」
「安心しろ。問題用紙はここにある。」
「そういう問題ちゃうやろ!」
「めんどくせーから今までの学校じゃだめなのかよ。」
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