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どうしても。織夜をそこに行かせたがっている希央に疑問を抱いた拓磨と龍はごくごく自然に探りを入れた。
そんなことにまったく気づかない希央は少し険しそうな顔をしてぺらぺらと話し出した。
「その学校なんだけどな、俺の親友が理事長やってんだわ。けど最近そいつの甥っ子が…あ。」
「へえ…、俺に行かせてそれで?」
「は、はかったな!!」
「あちゃー!馬鹿がここにいるよ。」
年下の集団に囲まれていじられるその姿は傍から見ればとてつもなくシュールである。
そんな状態に耐えかねた希央が舌打ちをすると口を開いた。
「…甥っ子がひどいんだと。理事長の甥だってことをいいことにものを壊したり、一般生徒に暴力を振るったり…。おまけに生徒会の面々がそいつを気に入ったらしくて学校そのものが運営できていないらしい。」
「…。」
ぽつりぽつりとし出した説明にいつの間にかあたりは静かになっていて、誰も話そうとはしなかった。
ふいに織夜が口を開いた。
「で、俺になにしろってゆーの?改革?矯正?一人で?馬鹿でしょ。」
「…そこの理事長な、雅あんちゃんなんだよ。それに暁くんも通ってる。」
「えっ。」
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