ブレザーより学ラン派

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目を丸くした織夜を横目に、希央はにやりと笑ってみせる。 「きっと織夜にあいたがってるだろーなー?」 「…。」 織夜!流されるな!てか雅あんちゃんて誰だ! その場にいる皆が同じことを思った。 しばらく考えていた織夜だったが、再び顔をあげると困ったように笑って、 「しょーないなー。雅あんちゃんかー。しょーないっ。」 「何がしょーないねん!」 「こいつらの話の基準がわかんねー…!!」 「……そんな織夜さんがいいと思います。」 「あちゃー!武人さんようやくしゃべったね。」 顔を緩ませて、「雅あんちゃん久しぶりだなー、元気かなー。」なんてつぶやく織夜に顔をほころばせる者もいれば、織夜の自由さにうなだれる者もいた。 だが、その後思いついたようにバッと顔を上げて、織夜はしょーないけど、と続けた。 「俺、ブレザーより学ラン派なんだよね。」 「そこっすか!」 「くっ…今から学ランにしてもらうか…。」 「その学校がブレザーなのかい?おりちゃんにはブレザーも似合うと思うけどねえ。」 兄弟にしか分からないへんてこなやりとりはその後かれこれ幹部たちを巻き込んで小一時間ほど続いた。 そして、見事に希央の口車に上手く乗ってしまった織夜はその翌日から雅あんちゃんもとい山戸雅の経営する深海学園へ通うことになったのであった。
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