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すみれちゃんの部屋で、光丘学園の制服に着替えさせてもらって、姿見の前でくるくると回った。
体格が似ているからか、まるでその制服は私に着られるのを待っていたかのように、ピッタリだった。
それがまた、私のテンションを上げる。
「そうだね。私と同じクラスにいても、不思議じゃないよ」
優しいすみれちゃんはそんな風に言ってくれる。だから私はまた調子に乗った。
「ねえ、プリ撮りに行こうよ。私、この制服着て撮りたい!」
「えっと……、ごめんね。リセちゃん。私この後、約束があって……」
すみれちゃんが眉を下げても、私のプリクラ撮りたい熱は冷めない。
そんならスマホで撮ればいいじゃんって思うかもしれないけど、私はスマホを持っていない。
さらにはガラケーすら持っていない。だからすみれちゃんに写真を撮って送ってもらうことすら、不可能なのだ。
私は「それじゃあ、友達と撮りに行くから、この制服借りて出かけてもいい?」とすみれちゃんに無理なお願いをまたしていた。
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