1.シンデレラ、王子様と出会う

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「チカちん、待たせた!」  すみれちゃんの家からバスに乗って駅前まで出ると、先に来ていた親友のチカちんがバス停に立っていた。 彼女はチェックのプリーツスカートが可愛い別の高校の制服を着ている。 だってどちらかが中学のセーラー服だったり、私服だったりしたら雰囲気出ないよね? 突然のお願いを難なく叶えてくれるなんて、さすが親友って感じ。 「もー、お姉ちゃんにバレたら絶対怒られるから、さっさと撮ってさっさと帰るよ!」 チカちんはお姉ちゃんの制服を内緒で着てきたらしい。 しかもサイズが合っていないらしく、ブレザーの肩はずり落ち、裾からは指先しか出ていない。 「チカちん萌え袖可愛いよ!」  私がからかうと、チカちんに背中をバシッと叩かれた。 「ねえチカちん、私の制服、似合う?」 「似合う、似合う。もう百回言った」 「そっか~。似合うかあ。ねえ、私お嬢様に見えるかなあ?」 「いや、普通のリセ」 「もー、チカちん! ノリ悪い!」 いつも通りきゃっきゃとはしゃぎながら、駅前のゲーセンに入る。 四月とはいえ、まだ春休みだからか、制服を着ているのは私たちくらいだった。
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