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◇◇◇◇
「ふぅ…。やっと下りてこれたな。さっさと魚買って帰るか。」
「あら?リードちゃん?」
「あん?よぉ、おっさんか。」
「どうしてここに?もう終わったの?まさか…そんなはずないわよね?」
偶然、山を下りたところでおっさん出くわしてしまった。数日ぶりだが、相変わらずキモイ見た目してんな…
「実はかくかくしかじかでな。」
「まるまるうまうまなのね。なるほど、さっぱりわからないわ。」
「まぁあれだ。息抜きにな、魚でも買ってやろうと思ってな。」
「子猫ちゃん、頑張ってくれてるのね。…コハクは、どうなのかしら?」
正直、行き詰まってます。…なんて言えるわけもなく。ざっとした状況説明
だけ述べておくことにしよう。
「取り掛かってはいるが、今は少しづつ…って感じだな。簡単な問題じゃないしな」
「やっぱり…難しいのかしら?」
「みたいだな。でも、心配すんな。うちにアスリーはできる子だ。絶対、助かる。」
「リードちゃん…」
俺にできることは、アスリーを信じ、機嫌を取りつづけることだけだ。大変なんだぜ、アスリーのご機嫌とりって。
「ところで、マリアさんは?」
「マリアなら故郷へ帰ったわ。もともと、長く滞在する予定ではなかったから。」
「そうか…。コハクの好きそうなもん聞きたかったんだが、仕方ないか。」
「私に聞けばいいじゃない。ねぇ、リードちゃん?なんで無視するの?」
後ろでおっさんが何か言っていたが、マリアさんがいないのなら用はない。早く買い物済ませて帰るとしよう。
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