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「わぁ、美味しい!」
「リードさん、いろんなお店知ってるんですね!」
「君達のような可愛い子を楽しませる為だからね、当然ですよ。」
この店オリジナルのカクテル、これが本当に美味い。
気に入ってもらえて何よりだ。
「……」
「あら、どうしたの?」
「あ、いえ…。あの子達、なんであんなのがいいのかなって…」
「あら、リードはタイプじゃない?」
「あんなチャラい人、私はムリです」
聞こえてるぞ、おい。
チャラいとか人聞きの悪い言い方しやがって。
「あの、あいつとはどんな関係なんですか?」
「あ、自己紹介がまだだったわね。私はラミア。あの子のお姉ちゃんよ」
「お、お姉ちゃん!?冗談ですよね!?」
「冗談じゃないのよ、これが。」
なんかすごく驚いているようだった。
俺とラミアは似てると思うんだがなぁ。まぁ言われたことないけど。
あれからきっかり2時間。
2人を家の近くまで送っていき、帰路につく。いい子達だった、また遊びたい。
さて、早く帰ろう。
「ただいま~」
「おかえりなさい、リード。それで、この子なんだけど…」
「ラミア」
笑顔で出迎えてくれたラミアを、俺は抱き寄せる。実の姉ながら美しい。どうして姉弟として生まれてしまったのか。神を恨んだこともあるくらいだ。
「今日も美しいな、ラミア。もう店を閉めて、俺と一緒に朝まで過ごさないか?」
「ちょ、リード…人前で…」
「ちょっと待てぇぇぇぇ!!」
なんだこいつ、まだいたのか。全く、2度も店内で騒ぐんじゃねえよ。
「なんだ?」
「なんだじゃないわよ!姉弟でなにやってんの!?ラミアさんもなに顔真っ赤にしてるんですか!?」
「やかましいな。なんか文句あんのか?」
「あるわ!!姉弟でしょ!実の姉口説いてんじゃないわよ!頭おかしいのか!」
「お前はわかっていないようだから教えてやる。いいか、よく聞け」
ラミアから一旦離れ、やかましい美少女と向き合う。ガツンと言ってやらねばなるまい。
「確かに俺とラミアは姉弟だ。超えちゃいけない壁も一線もあるのかもしれない。だがな!んなことは関係ない!愛の前では、ちっぽけな問題だ!壁だって一線だって俺は躊躇なく乗り越える!」
「あ、あんた…頭、大丈夫?」
「ふっ、案ずるな。俺は変態だ!」
俺はキメ顔でそう言った。
「……」
「アスリー無言はやめろ、なんか言え」
「キモ過ぎて引いた死ね」
「ド直球過ぎて引いたわ」
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