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「それで、俺に用ってなんだ?話しくらいなら聞くぞ。」
「こほん。私の名前はルル。用事と言うか、あなたに頼みがあるの。」
「頼みねぇ。仕事の依頼ってことか?」
「あなたの望むだけの報酬は出せるよう努力する。だから…だからお願い。お母さんを助けて!」
ルルが勢いよく頭を下げる。いや、まぁ…女の子にこんな風に頼まれたら断れるわけないのだが…
「…なるほど。また厄介なとこに目をつけられたな…」
「その、”ドンゴラ商会”?って、有名なの?」
「ああ、有名な悪徳業者だよ。全く、面倒だな…」
ルルの話しによると、相手はドンゴラ商会。母親と2人で飲食店を経営していた所、ドンゴラ商会の連中にイチャモンをつけられたらしい。それに刃向かった母親が、捕まったそうだ。
「でも、そういうのは警察に届けるものじゃないの?どうしてリードの所に…?」
「警察じゃ手に負えんからだろ。危険な生き物も飼ってる噂もあるしな。だから俺んとこに来たんだろ?」
「……うん」
相手が相手だ、警察行っても話しすら聞いてもらえないだろ。俺にくる依頼は大体そんな危険なものばかりだ。
「大丈夫…なの?」
「なにが?」
「だって、ドンゴラ商会だよ??誰も関わりたくない相手だし…何回も、断られたし…」
「俺以外に誰かに頼んだのか?」
「2.3人頼んだ。でも、ドンゴラ商会の名前を出したとたん…」
同じ仕事をしている奴は何人もいるし、手当たり次第当たったのか。
「大丈夫よ、ルルちゃん。リードはとっても強いもの。すぐにお母さんを助けてくれるわ。」
「そーゆうこった。俺は美少女の頼みは断らない主義なんだよ。心配しなくても、ちゃんと助けてやる」
「…うん。ありがとう」
ルルはニコッと笑う。うん、口は悪くても美少女だな。可愛い。
この笑顔は、守るだけの価値がある。
「あと、一つだけ条件がある。」
「え…条件?」
「俺とデートしてくれ」
「……」
「あの時のポカンとした顔は、一生忘れることはないだろう」
「条件がデートて」
「だって断られたままじゃ悔しいし…」
「負けず嫌いか!」
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