28人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんで私があんたとデートなんて…」
「デートするだけで依頼を受けるんだぞ?安いもんだろ?」
「う…まぁ…」
翌日に、早速ルルとデート。
釈然としていないようだが、せっかくのデートだ。精一杯楽しませてやろう。
「こういう店はどうだ?好きか?」
「雑貨屋さん?…まぁ、嫌いじゃない…かな」
「なら寄ってくか」
「こんなお店知ってるんだね。なんか意外」
女の子が好きそうな店は熟知しているつもりだからな。この店だってかなりの人気店だ。
「わぁ…可愛い小物がいっぱい…」
「なんか欲しいか?買ってやるぞ。」
「いいよ、そんな。…私は、そういうことを言える立場じゃないし…」
「んなの関係ないだろ。これなんかどうだ?母親とお揃いで」
俺が手に取ったのはマグカップ。
これなら日常生活で使えるし、母親も喜んでくれるんじゃないか。
「そう言えば、こういうの持ってなかったな…」
「なら買うぞ。いいよな?」
「…うん、ありがとう」
ルルは俯いてしまっているが、喜んでくれたの…かな?
「…ねぇ、リード」
「うん?どうした?」
「ホントに…助けてくれる?」
ルルは俯きながら俺の手を握っていた。そりゃそうだよな。俺よりも年下の女の子だ。母親が捕まって、不安でいっぱいなんだろうな…
「心配すんな。お前の母親は絶対助ける。命に代えてもな」
「……」
「だからそんな顔すんな。お前は笑ってた方が可愛いぞ。」
「…なによそれ。わけわかんない」
わけわかんないらしい。う~む。慰めたつもりだったのだが…さすがに手強いなぁ。
「私をその辺の女の子と一緒だと思うなよ?」
「ごもっともだ。」
「だから、私はあんたを簡単には信じない。たらしだし」
「たらし言うな」
こんなに手厳しい女の子は初めてだ。なかなか信用してもらえない…ちょっとヘコむな…
「だから、私を信じさせてよ」
「え…?」
「女の子のお願いは、断らないんでしょ?」
「……はは、その通りだよ!」
俺はルルの頭をわしゃわしゃと撫でる。こいつ、めちゃくちゃいい奴なんじゃないか、おい。
「な、撫でるな!ちょっと!」
「安心しろ。初めから信じてなかった事、後悔させてやる」
「…うん。お願いする」
「な…な…」
「ん?アスリー?」
「なんでちょっと良い話しなんだよ!!」
「いけませんか!?」
最初のコメントを投稿しよう!