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ーー約2ヶ月程前ーー
「街を出たはいいものの…はぁ、これからどうすっかなぁ…」
街を出て3日はふらふらと彷徨っている。行く当てもないから、途方にくれているわけだ。
「はぁ…。どうとでもなると思ってたけど、上手くいかないな。」
なんとかなるとは思っていた。でも実際はそうもいかず。とりあえず草原に横になって空を眺める。
「…ラミア達に会いたいな…。後悔はしないって、決めたんだがなぁ」
ルルに言われた通り、街に残るべきだったのか。いや、残ったとしてもみんなに迷惑をかけるだけだ。これでいい。
「そう、これでいいんだ。これで……はぁ」
もう何度目のため息だろう。いい加減自分が嫌になってきた、その時だ…
「やっと見つけたんだよ!」
「え?」
「賞金首リード!その首もらいにきたんだよ!」
突然俺の目の前に現れた女の子。可愛らしい容姿に似合わない、ゴツいスナイパーを担いで得意げに俺を指差している。
「えっと…どちら様?」
「私はアスリー!殺し屋なんだよ!」
「殺し屋…」
殺し屋とかどうでもいい。可愛い!!なにあれネコミミ!?てことはハーフか!初めて見たけど可愛すぎるだろ!やべぇ、ドストライクだわこの子!!
「そうなんだよ。だから大人しく首を…」
「抱きしめていいですか?」
「え!?急にどうしたの!?」
「君みたいな可愛い子は初めて見た。だから抱きしめていい?」
「どうしてそうなるの!?」
アスリーと名乗る女の子はかなり困惑していた。困惑してるのは俺だ。可愛すぎる。
「抱きしめさせてくれたら、俺を殺してもいいぞ?」
「え、本当……って、何言ってんの!?簡単に命捨て過ぎでしょ!?」
「俺は美少女と触れ合える為なら命だって捨てられる。」
「そんなドヤ顔で言うことじゃないんだよ!!」
いいツッコミだな。
ってか、こんな可愛い子でも殺し屋なんだな。どうして殺し屋なんか…
「なんだよなんだよ…。世界の終わりみたいな顔してたから様子見にきたのに…」
「え、そうなのか?心配してたの?俺を?」
「心配というか…。寂しそうな顔してたでしょ?だからどうしたのかなって」
「今から殺そうとしてる相手なのに?」
「う、うっさいな。別にいいでしょ」
殺し屋だからどんな子かと思っていたが、めちゃくちゃいい子じゃないか。何気に隣座ってるし、殺す気ないのか?
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