第1話 ちょっと気に入らない。

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とある国の華麗なる第三王子。スキアー・ブライトクロイツといえば、俺のこと。まあ、華麗なるとか言ったら大嘘になるけどね。 エクシリア兄さんみたいなカリスマ性もないし、マルス兄さんみたいな実力もないし、テラスみたいな無邪気な可愛さもないし… 「おい、スキアー!!聞いてるのか?」 「何、一人でニヤニヤしたり嘆いた顔したりしてるの?」 俺の友人のジョンとハルマンが何だかうるさい。 「いやあ、ちょっとね…。それよりジョン、どうしたの?」 今は学校の休み時間。王子な俺だけど、きちんと学校にいってる。 ブライトクロイツ学園 うちの所有の学校の9年生なんだ。 「ポピンズの街に今度新しくお菓子屋ができたんだけど、明日行かないか?何か、食べる人によって味が変わるケーキとか、色が変わるクッキーとか色々あるみたいなんだよ。」 「しかも美味しいって評判なんだよ?」 一応言っておくとこの2人は貴族。だけど庶民的な考えを持っているからとっても好き。 「行きたい!でも、無理だよきっと。アランに、危ないからーとか、勉強はーとか絶対言われるよ。」 「出た、スキアーの杞憂グセ。」 俺には杞憂癖がある。まあ杞憂で終わる確率は半分くらいなんだけど。 「でも、今度のスキアーのお世話係、一筋縄では行かなさそうだよね。若いし。」 今までの人たちは正直、攻略できた。 まあそのせいで匙を投げられたんだけどさ。 何回か2人とは会わせたことがある。 恭しくて、アランの態度は申し分無かった。 「まあ、なんとか頑張ってみるよー。」 自信はないんだけどね。杞憂で終わるといいな。
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