2人が本棚に入れています
本棚に追加
とある国の華麗なる第三王子。スキアー・ブライトクロイツといえば、俺のこと。まあ、華麗なるとか言ったら大嘘になるけどね。
エクシリア兄さんみたいなカリスマ性もないし、マルス兄さんみたいな実力もないし、テラスみたいな無邪気な可愛さもないし…
「おい、スキアー!!聞いてるのか?」
「何、一人でニヤニヤしたり嘆いた顔したりしてるの?」
俺の友人のジョンとハルマンが何だかうるさい。
「いやあ、ちょっとね…。それよりジョン、どうしたの?」
今は学校の休み時間。王子な俺だけど、きちんと学校にいってる。
ブライトクロイツ学園
うちの所有の学校の9年生なんだ。
「ポピンズの街に今度新しくお菓子屋ができたんだけど、明日行かないか?何か、食べる人によって味が変わるケーキとか、色が変わるクッキーとか色々あるみたいなんだよ。」
「しかも美味しいって評判なんだよ?」
一応言っておくとこの2人は貴族。だけど庶民的な考えを持っているからとっても好き。
「行きたい!でも、無理だよきっと。アランに、危ないからーとか、勉強はーとか絶対言われるよ。」
「出た、スキアーの杞憂グセ。」
俺には杞憂癖がある。まあ杞憂で終わる確率は半分くらいなんだけど。
「でも、今度のスキアーのお世話係、一筋縄では行かなさそうだよね。若いし。」
今までの人たちは正直、攻略できた。
まあそのせいで匙を投げられたんだけどさ。
何回か2人とは会わせたことがある。
恭しくて、アランの態度は申し分無かった。
「まあ、なんとか頑張ってみるよー。」
自信はないんだけどね。杞憂で終わるといいな。
最初のコメントを投稿しよう!