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「ポピンズの街に新しくできたお菓子屋さんですか?私、この間行きましたよ?」
アランの返答は予想外すぎた。
「え?いつの間に行ったの?」
「はい。スキアー様のティータイムのお菓子を見繕いにポピンズに出かけた際に…。」
俺のお菓子って街で買ってたのか。城で作ってたわけじゃないのか。
何かショック。
「アランが行ったんだから、俺だっていいよね?あ、安全面なら安心してよ?俺、目立たないし、護衛は見えないところにうようよしてるし。勉強も今日と明後日、一生懸命やるからさ!」
自分で目立たない、と言えちゃうところが悲しい。
「危険です!!」
「今の話聞いてた!?」
馬鹿なの?ねえ馬鹿なの?
「ポピンズは治安がいい街なので襲われる心配はしていません。そのお菓子が危険なのです。」
「お菓子が?毒でも入ってるって?」
アランが馬鹿ではないことは安心したけど、お菓子が危険って…
「毒ならまだいいです。ちなみに一口だけ食べましたが、とても美味しいです。」
「美味しいならいいじゃんか。」
「ですが、食べたことで確信しました。あれには何らかの能力が使われています。」
能力か。
何を根拠に?って聞きたいけど、そういうのってわかる人にはわかる。
「アラン、能力持ちだもんね。」
何の能力かは知らないけど。
「でもさ、アラン。それはただ単に料理をかなり美味しく作れる能力かもしれないよ?」
「そうだといいのですが…」
「だからさ、大丈夫!行っていいでしょ?」
アランはニコリと微笑む。
キタコレ。行けるぞ!!
「駄目です。もしどうしても行くのでしたら、スキアー様をふんじばってでも止めます。」
ダメだこりゃ。
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