第1話 ちょっと気に入らない。

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「ポピンズの街に新しくできたお菓子屋さんですか?私、この間行きましたよ?」 アランの返答は予想外すぎた。 「え?いつの間に行ったの?」 「はい。スキアー様のティータイムのお菓子を見繕いにポピンズに出かけた際に…。」 俺のお菓子って街で買ってたのか。城で作ってたわけじゃないのか。 何かショック。 「アランが行ったんだから、俺だっていいよね?あ、安全面なら安心してよ?俺、目立たないし、護衛は見えないところにうようよしてるし。勉強も今日と明後日、一生懸命やるからさ!」 自分で目立たない、と言えちゃうところが悲しい。 「危険です!!」 「今の話聞いてた!?」 馬鹿なの?ねえ馬鹿なの? 「ポピンズは治安がいい街なので襲われる心配はしていません。そのお菓子が危険なのです。」 「お菓子が?毒でも入ってるって?」 アランが馬鹿ではないことは安心したけど、お菓子が危険って… 「毒ならまだいいです。ちなみに一口だけ食べましたが、とても美味しいです。」 「美味しいならいいじゃんか。」 「ですが、食べたことで確信しました。あれには何らかの能力が使われています。」 能力か。 何を根拠に?って聞きたいけど、そういうのってわかる人にはわかる。 「アラン、能力持ちだもんね。」 何の能力かは知らないけど。 「でもさ、アラン。それはただ単に料理をかなり美味しく作れる能力かもしれないよ?」 「そうだといいのですが…」 「だからさ、大丈夫!行っていいでしょ?」 アランはニコリと微笑む。 キタコレ。行けるぞ!! 「駄目です。もしどうしても行くのでしたら、スキアー様をふんじばってでも止めます。」 ダメだこりゃ。
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