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「ねばっても駄目だったよ。杞憂に何か終わらなかったよ……」
次の日、ジョンとハルマンにご報告。
「何ていうか、論破されたわけでもなく、王子として情けないな。」
「ジョン、言い過ぎだよ。僕としては一国の王子様のお菓子が街で適当に見繕われるものだってほうが驚いたよ。」
そうだよね。俺としてもそっちがかなりショックだよ。
「だから二人で行ってきてよ。てか、お土産買って、この第三王子様に献上して欲しい。」
「図々しいな、お前。」
食べたいもん。
「アラン謎だな。あまりにも美味しかったから、俺には食べさせたくないのかな、もしかして。」
そうだとしたら性格悪いな。
「どうなんだろうね。そこまでアランさんと関わってないから分からないけど、優秀そうだよね。美形だし。」
ハルマンめ、何を言っているんだ。
「ハルマン!!そこが忌々しいのだよ!!」
だって、
だって!!
「この地味な俺にメイドさん達から影でキャーキャー言われてる、如何にも学生時代リア充だった奴を充てがう方がおかしいんだよ!今までのやつは皆地味ーずだったのに!!」
つい一昨日、新しく来たメイドがアランを見て、『貴方が第三王子様ですね。地味な方だと聞いていたのですが、お噂とは違いますね。』って言ったときには軽く殺意を覚えた。
「しかも!!士官学校、飛び級卒業とか!どんだけ優秀なんだって話。しかもあの年で王家に仕えるNo.2。どうかしてるよ。気に入らない。」
メイドが気づいて、めっちゃくっちゃ謝った後、『誰にでも間違いはあります。これから共に頑張りましょう。』って優しくアランが微笑んだ後にメイドが顔を赤らめたときは流石にアランの足を踏んづけた。
「一緒に頑張りましょう、とか言っといてさ、そもそものスタート地点が違うじゃん。つーかそのまんまでいいって言ったくせに、勉強と鍛錬強制だし。」
本当に気に入らない。
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